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美しいこと 上・下  03/03/2008  
美しいこと(上) (Holly NOVELS) (Holly NOVELS)美しいこと(上) (Holly NOVELS) (Holly NOVELS)
(2007/11/21)
木原 音瀬

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美しいこと(下) (Holly NOVELS)美しいこと(下) (Holly NOVELS)
(2008/01/29)
木原 音瀬

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個人的評価 ★★★★★
個人的じれったいランク S


この本で木原音瀬に陥ちた…好きすぎる。方々で評判は聞いていてでも下巻出るまで買うの我慢してて、まとめて一気読み。

あらすじ(amazonより)

人を好きになるのは心ですか?それとも……。

松岡洋介には週に一度、女装して街に出かけるという密かな趣味があった。ひょんな
ことから始まった女装は、道行く男達の視線を集めたことで楽しいイベントになって
いた。そんなある日、女の姿でナンパされた松岡は、食事ぐらいならと軽い気持ちで
ついて行ったはいいものの、大変な事態になり…!?



上と下の画像を横並べにしたかったな・・・。日高ショーコさんの絵は美しすぎる。松岡かわいすぎる。寛末が憎むに憎めない…。もうほんとどうしようもない男なのにな…。

木原さんの作品はいい意味で日常的な人々が描かれてる。

松岡の女装癖というのは特殊かもしれないが、世に氾濫するBLに出てくる女の子より美しい美少年・スネ毛なんて生えてません、みたいなのでは全然ない。日常に疲れた彼がほんの少し道を踏み外して楽しむ後ろ暗い趣味、という感じが上手く出ている描写になっている。日高さんの絵もそれをうまく表していると思う。寛末が葉子(女装松岡)を好きになる気持ちが実によくわかる。

そして寛末という男の描写も絶妙だと思う。
こういう男、絶対近くにいる。
優しいんだけど情けなくて。優柔不断で。人を傷つけまいとして、実際は傷つけてる。
もともとは寛末が葉子を好きになったからややこしくなったのに、いざ松岡が寛末の気持ちに応えてくると、男だと知って拒絶して。
いつもBL読んでると「『愛に性別は関係ない』とか現実にはそんなあっさりいかないだろ」とか思う気持ちが、好きで読んでても片隅には残ってるんだけど、この場面では、「いいじゃん男でも!」と叫びたくなった。

もう松岡がほんと可哀想で可哀想で。かっこいいし仕事もできるし女の子なら引く手あまたなのに、寛末なんか好きになっちゃったせいで、悩んで悩んで、ふっきろうとしても、ちょこちょこ寛末が顔を出すもんだからかき乱されて。上巻もじれったいけど、下巻もかなり後半の方までじれったくて、完全松岡に感情移入してたもんだから寛末視点の「愛しいこと」ですら、寛末を殴りたくて仕方ない気持ちで読みましたよ。「愛しいこと」冒頭の松岡の髭に嫌悪感を抱いて突き飛ばすシーンとかはらわた煮えくり返りましたよ。

でも嫌いになれないんだよね・・・。松岡がいつのまにか寛末を好きになってたように、読者も寛末を放っておけなくなってる。木原さんって本当すごい。絶対好きになれないキャラを持ってきて平然と突き放すのもお家芸だけどプラス分よりマイナス分の多いキャラをちゃんと魅力をもった存在にするのも木原さんならではだと思う。

木原さんの本っていつも読んでて辛い。ひしひし来るところがある。でもそれが楽しみでもある。ほんとはこの作品に関してもっとたくさん語るべきことがあるはずなんだけどうまく言語化できないんだよなあ。愛ってむずかしいですね。

最終的にハッピーエンドっぽくて心底安心しました。これは絶対に小冊子応募しないと!
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